古寺巡礼 室生寺 1

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風情を感じさせる石段の上には、御本尊や釈迦如来立像が収められている金堂が建っています。

 

土門 拳も愛してやまなかった室生寺を人目見たくて、奈良取材の折、立ち寄ることにしました。

近鉄橿原線と大阪線を乗り継いで、室生口大野駅という小さな駅に降りました。

そこから室生寺まではバスで15分ほどですが、途中、室生川渓谷などの美しい景観も楽しめて、

秋の風情を満喫してきました。

室生寺は、土門拳が晩年、古寺巡礼を巡る旅の中で最も美しい寺・仏と称したところであり、

その中でも雪の室生寺は、何年もの年月をかけて撮られた渾身の作です。

また、国宝の釈迦如来坐像面相右などは、光と影を追求した彼の代表作の一つとも言えるでしょう。

紅葉には少し早かったのですが、ほんのり色付き始めてきたモミジを背景に、

石段を一段づつ上っていくと、上部にコケラ葺きの金堂が見えてきました。

静かな佇まいの中に、ひっそりと残されている金堂や弥陀堂、そしてさらに奥の方にある五重塔・灌頂堂など、

当時の面影を残す立派な建造物の美しさに魅了されてきました。

そして、何といっても土門拳が日本一の称号を与えたほど美しい仏像、

室生寺弥陀堂 釈迦如来坐像(国宝)の姿を拝見したく、弥陀堂に向かいました。

三間四方柿葺のお堂の中、向って右側奥手に、一際鮮やかに輝く釈迦如来坐像が安置されていました。

暗いお堂の中でしたが、まるでそこだけに光がさしているかのように仏像が浮かび上がって見えました。

その美しさと千年杉に囲まれたお堂の風情に、ただただ圧倒されるばかりでした。

室生寺に向う石段を上っていたさい、土門拳はどんな心境でお堂へと向ったのだろうか、

そして雪の室生寺と石段を撮るためにどれほどの時間をかけながら、渾身の一枚を残したのだろうかと、

彼が辿った足跡に思いを寄せながらその場を後にしました。

 

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 樹齢千年ともいわれる天然杉に囲まれ、ひっそりと佇む五重塔。

 

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 室生寺弥陀堂 釈迦如来坐像 (国宝)

 

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室生寺の入り口、左右の金剛力士像に出迎えられる。

 

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灌頂堂(本堂・鎌倉時代・国宝) 如意輪観音坐像が安置されている。

 

厳しく女人を禁止してきた高野山に対し、この室生寺では、女人の済度をもはかる真言道場として女性の

参拝を許してきたことから、「女人高野」として親しまれてきました。

天武天皇九年(681)役行者によって開かれ、後に弘法大師の手で迦藍の整備が行われました。

境内には金堂、五重塔などの迦藍、本尊釈迦如来増、十一面観音像など多くの国宝、重文が残されています。

 

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灌頂堂(国宝) 五間四方入母屋造りの大きな建築で、内陣と外陣を板扉で区画している。

 

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 室生寺の前には清流、室生川渓谷が流れる。後方の山の奥に室生寺が建造されている。

 

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金堂 五間の単層寄棟造りコケラ葺き。 御本尊、釈迦如来立像(国宝)、十一面観音菩薩像(国宝)などが安置されている。

 

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五重塔(平安時代初期・国宝) 総高16.1メートルと、屋外に建つ五重塔では最小のもの。